「超音波吸引」ってなぁに?
「超音波吸引」には2種類あって、「体外」からプローズという器具で超音波をあてて脂肪を柔らかくする方法と、「体内」に挿入したカニューレの先端から超音波を出して脂肪を破壊する方法です。現在、欧米では「体外法」がメインとなっており、当院でもこちらを採用しています。これにより細胞が柔らかくなっており、仕上りがよりキレイになるのです。
吸引で使用するカニューレ(管)はどんなもの?
カニューレとは細い金属性の管の先端に穴があいているもので、本体の吸引器の強い力で脂肪を吸い取っていきます。長さは20cm〜50cmくらい、太さは2mm〜1cmくらいと様々です。また先端の形や穴の大きさ、数、方向などバラエティーに富んでいます。ドクターによって、どんな種類のカニューレを用いるかは違ってきます。現在は細い管を使って、時間をかけて吸引する方法が主流だと思いますが、主治医とよくご相談になって下さい。
「シリンジ法」とは何ですか?
吸引はカニューレと呼ばれる管を挿入して行いますが、通常はこれがチューブによって吸引本体の機械に接続され、自動的に吸引されていきます。「シリンジ法」とは、カニューレに直接、注射器の本体部分がついており、それを操作して、少しづつ吸引していきます。ただ非常に手間がかかり、吸引力も弱く安定していないので、現在この方法で行っている病院はかなり少ないと思います。
手術時間はどの位かかりますか?
まず全身麻酔か局所麻酔かによっても異なります。ここでは単純に「吸引に要する時間」として考えていきます。まず、顔であれば約30分、二の腕で約1時間、ふくらはぎや腹部は1時間半、太ももで2時間程度です。当然、ついている脂肪の量や体型によっても異なりますし、使用するカニューレの太さによっても差が出てきます。ただ脂肪吸引のような手術は、あまり短時間で終了させることにこだわる必要はありません(手際の良さは必要ですが…)。なんといってもドクターの「彫刻を創る」ような職人芸なのです。あまりアセらずにゆっくりとかまえて臨んだ方がよろしいと思います。
術後をコンピューターでシミュレーションできるの?
もちろん技術的にはコンピューターシミュレーションは可能です。しかし、これは操作によっていくらでも細く形を整えることが可能です。つまり、シミュレーションしたことによって、かえって患者さんが勘違いされる場合が出てくるのです。よって、ドクターが直接、触診して脂肪の厚さをチェックして「この程度になる」という予測の方が、はるかに確かだと思います。ですから、コンピューターを過信することは禁物です。
術後の包帯やガードルは必要なの?
脂肪吸引は、脂肪層を取り除くわけですから、そこに小さな「スキ間」が無数にあります。これがキレイにつぶれて下にくっつくことにより、痩せて美しいボディラインができるのです。そのために何らかの圧迫が必要になります。(ただし、顔に関しては、吸引する量が少ないため、当院では圧迫の必要はないと考えます。)これには、包帯や弾性下着などを用います。期間は約2週間程度になります。